◎国内優先権制度の特殊性(研究者の視点から)

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◎国内優先権制度の特殊性(研究者の視点から)

 化学系の特許出願を依頼され、研究機関に勤務する研究者と打ち合わせをしました。
研究者さんは、研究成果がまとまったら論文発表をしたい、という意向でしたが、
その研究者さんへの研究支援をしているスポンサー企業は、早い出願を希望されていました。

 国内優先権制度を使えば、研究成果についてのデータが出揃わなくても出願可能、
という説明を私はじっくりさせていただきました。
 しかし、研究者さんは、出願することへ強い抵抗感を抱いていらっしゃいました。
よくよく尋ねてみると、国内優先権制度への誤解だったことが分かりましたが、
研究者の視点からすれば、国内優先権制度が特殊かもしれない、と思い至りました。

 研究者としては、最初の論文発表において「特許法に言う新規性、進歩性」が伴わず、
次の論文において、最初の論文内容を否定したり、矛盾したりする内容を発表する、
ということはできない、と言うのです。
 最初の論文と次の論文とで矛盾があったら、研究者として納得できないし、、
研究者として失格の烙印を学会から押されかねない、という恐怖心があるようです。
研究者からすれば、前言撤回が、誰にも知られずにできてしまう、不思議な制度のようです。

 国内優先権制度では、最初の出願内容から削除してしまえば、誰の目に触れることもない。
 しかし、差し替え前の書類は取り下げ扱いとしている国内優先権制度を
スタンダードとして仕事をいる特許業界の方が特殊なのだ、と考える必要性を感じました。

    (2017年7月作成)

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