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◎セミナー受講のプロについて(2/2)

 セミナー受講のプロが出席しているセミナーは、講師として非常にやりにくい。

 第一の理由として、
 「中小企業のための」というテーマに忠実な内容としていくためには、
大企業対策、のような話を盛り込みたいのに、それがやりにくくなるわけです。
 やらないわけにはいかないので、セミナー受講のプロは、
そうした話こそ、有益な情報として持ち帰るのでしょう。
 
 第二の理由としては、会場の空気を作ってしまうことがある点です。
 企業内研修の充実や同僚の存在などによって、受講のプロたちは、予備知識もたくさんある。
そのため、中小企業の知財担当者へ「基礎的な知識」などを提供する資料を提供し、
それを用いて説明をしていると、プロ達がしらけた雰囲気をセミナー会場に振りまきます。

 そんなこと、知ってるよ

という空気を醸し出したり、知ってるという緊張感のなさからの居眠りをされたりして、、
会場の雰囲気が悪くなるのです。

 第三の理由として、
 セミナー受講のプロは、セミナーの最中に質問をすることが多い。
講師の実力を試してやれ、という意図を感じる意地悪な質問をされることもあります。
 意地悪な意図があるかないかは別にして、
質問内容が高度だったり、マニアックだったりすると、会場の雰囲気が悪くなります。
 そうした質問は、その場で答えず、セミナー終了後、個別に答えるようにしていますが。

 「セミナー受講のプロ」の存在や増加は悪である、とまでは言えませんが、
何らかの工夫をしていかなければ、地方自治体が意図する中小企業の育成、
という趣旨目的と乖離したセミナー開催になってしまう傾向にあります。
 私は、それを危惧しています。

        (2016年10月作成)