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◎意外にも説得力を発揮した言葉

 ある天然素材Aを活用することを前提としたプロジェクトに対して、コンサルティングの打診を電話で頂きました。
直感的に、「そのプロジェクトの成功は難しい」、と思いましたが、
是非会って欲しい、とのことでしたので、お会いすることにしました。

 その天然素材Aに関する説明を一通りお聞きしたのですが、私が知っている以上の情報はほとんどありませんでした。
「そのプロジェクトの成功は難しい」という理由を、(予め考えておいたものを含めて)私なりに述べてみたのですが、
簡単には納得されません(まあ、当然といえば当然です)。

 その後、ふと思いついた言葉を口にしてみました。

   「素材B」に関してならば、Bに関する豪商や「B長者」と呼ばれるような人がいたということは、
   お聞きになったことはございますよね。
   一方の素材Aも、Bと同じく古来から存在しますし、古来から活用もされてきています。
   しかし、A素材で富を得た、長者になった、という話は、聞いたことがありません。
   私の勉強不足でしょうか?

すると、依頼者は、

   いや、確かにその通りですね。考え直してみます。

と、あっという間に納得されてしまいました。

 理論理屈よりも、こうした言葉が届く場合もある、という経験でした。
 人に届く言葉を探すのは、難しい(でも面白い)。

    (2013年2月作成)