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◎ボトムアップ作戦

 メーカの技術者を対象とした社内セミナーの講師をやらせていただく機会を得ました。
 7時間×3日間 という受講者にも負荷のかかるものです。
 受講者は全員が入社3年以上の理科系ですが、研究開発のみならず、商品企画の部署からも参加いただきました。
 一日半が特許、残りは意匠法、商標法、著作権法、その他というスケジュール。

 技術者、特に研究開発の部署の方には、特許法以外は不要では? とお尋ねすると、

  ・特許以外の知財も勉強して広い視野を持つ技術者になって欲しい
  ・商品企画では意匠、商標も必要だし、研究開発から異動することもある

という2つの理由で、知財全般を学ぶ企画を立てた、とのことでした。
さて、その一日目。

 具体的に特許査定となった案件の特許請求の範囲を題材としていくつかの架空事例を作成し、出題してみました。
 そこで実感したのは、実に有意義な議論に発展した、ということでした。

  ・こういう書き方をしていたら、ライバルにつけ込まれないのか?
  ・この書き方で独占ライセンスをしたら、自分たちが損ではないか?

 などなど・・・

 特許請求の範囲がこうであった方がいい、という視点を発明者が持っていたら、
その発明者による特許は強くなるし、その会社の知財力は、ボトムアップしていくのではないか。
 そんな期待が持てる雰囲気を感じました。

   (2011年9月作成)