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◎同志がいなくなる寂しさ

 弁理士を目指すきっかけを私が作った、と言ってくれる方と食事をする機会がありました。
 そのきっかけとは、9年前。
当時はまだ一般化していなかった産学連携と知財、パテントマップと技術ロードマップ、知財と経営、
といった内容をテーマとして与えられたセミナーの講師を私が務め、
彼はそのセミナーの受講生だったのでした。
 彼は、そうしたテーマの実現を目指したベンチャー企業に転職し、
そのベンチャー在籍中に話をしたり、たまに会食するようになりました。

 そのセミナーから9年。 彼は、2つ目の特許事務所に転職しました。
 彼が在籍したベンチャー企業は、彼が去ってから2年たらずで廃業。
自らが経営には携わりたくない、という頑なな思いを漏らす彼。

 彼の気持ちは、理解できます。
 私も、自らが経営には携わりたくない、という思いが強かったし、
自分に与えられる仕事をきちんとこなせば、仕事は誰か(経営者ですが)が取ってきてくれる、
と漠然と考えていたから。
 また、9年も経ったのですから、年齢も上がり、様々な環境も変化しているのですから。
こんな時代にすんなりと転職できたことに対して、羨ましくも思います。

 しかし、同志がいなくなった寂しさに似た複雑な気持ちになりました。

   (2011年8月作成)