◎それってどんな食べ物だ?
いつもは愛妻辨当(古い字を使うのがピッタリくるいつも古風な弁当だ)
を持参するGのヤツが、今日は持ってこなかったと言う。
深い事情があるのでは、と密かに心配したオレは、
今日はオレが奢ってやるから
とGを昼飯に誘った。
Gは東北の出身なので、「きりたんぽ」が置いてある店に行きたかったのだが、
「きりたんぽ」は夜のメニューなので、その店は諦めた。
俺が良く行く店では安すぎるから、奢ってやった有り難みも小さくなる。
なんていうケチな考えも頭をよぎる。
ちょっと思案して、一度しか行っていない 「名古屋亭」ののれんをくぐった。
Gは、注文を取りに来た東洋人っぽい女性アルバイトに、メニューを指さして
ウナギの暇つぶし
と頼んだ。
「ひつまぶし」の間違いだろ!
オレが突っ込むより早く、そのアルバイト店員は、
ハイ、ヨンバンサン、「ウナギノヒマツブシ」 イッチョー
と大声を上げた。 誰も笑わないし、店の中の空気も変わらない。
驚いたオレは、Gが見ていたメニューを取り上げ、声を上げずに唸った。
「ひつまぶし」に対抗したオリジナルメニュー「ひまつぶし」登場!
骨ごと焼いたウナギの蒲焼き、肝吸い代わりのシジミの味噌汁、・・・
と注意書きがあるではないか!
Gに突っ込みを入れ損ねたオレは、恥をかかずに済んだのだった・・・
(2009年11月作成)


