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◎特許法の正しい理解

インターネット規制に反対し、「特許の廃絶」を公約とする新党=『海賊党』
という政党が、スウェーデンにあるそうです。(最近、1議席を獲得したとか)
(名前の由来は、「海賊版」だそうです)

さて、

  特許の廃絶

ということを訴えるというのは、歴史を学んでいない、と言わざるを得ません。

  イギリスで発見されたペニシリンは、
  発見した博士が『世の中のために』と特許を取らなかった。
  薬の開発には、当時でも膨大な投資が必要だったのでしょう。
  開発しても利益を得られる公算がなかったため、どの薬メーカも
  手を出さなかった。
  そのため、薬として販売されるまでに10年以上が掛かってしまい、
  医療業界は遅れた。
  おまけに、ペニシリンの大量製造方法に関する特許は、
  米国の薬メーカが取得したため、
  イギリスは、ペニシリンの入手に対して米国にお金を払っていた
  という事態にまでなった。

  一方、特許制度を充分に活用したエジソンは、
  産業を興して雇用を創出し、人々の生活を豊かにする発明をした。

 特許法は、発明者が儲けるための法律ではなく、
先行投資のリスクを負った者に、先行投資を回収させてあげるための法律です。
 先行投資以上に儲かる事態が、稀に生じるのですが、
その「稀」ばかりが悪である、というのは、バランスの取れた考え方ではありません。

 こうした正しい理解の無い、理解しようとしない人たちには、
正しい理解をして欲しいと願っています。

  (2009年10月作成)