インターネット規制に反対し、「特許の廃絶」を公約とする新党=『海賊党』
という政党が、スウェーデンにあるそうです。(最近、1議席を獲得したとか)
(名前の由来は、「海賊版」だそうです)
さて、
特許の廃絶
ということを訴えるというのは、歴史を学んでいない、と言わざるを得ません。
イギリスで発見されたペニシリンは、
発見した博士が『世の中のために』と特許を取らなかった。
薬の開発には、当時でも膨大な投資が必要だったのでしょう。
開発しても利益を得られる公算がなかったため、どの薬メーカも
手を出さなかった。
そのため、薬として販売されるまでに10年以上が掛かってしまい、
医療業界は遅れた。
おまけに、ペニシリンの大量製造方法に関する特許は、
米国の薬メーカが取得したため、
イギリスは、ペニシリンの入手に対して米国にお金を払っていた
という事態にまでなった。
一方、特許制度を充分に活用したエジソンは、
産業を興して雇用を創出し、人々の生活を豊かにする発明をした。
特許法は、発明者が儲けるための法律ではなく、
先行投資のリスクを負った者に、先行投資を回収させてあげるための法律です。
先行投資以上に儲かる事態が、稀に生じるのですが、
その「稀」ばかりが悪である、というのは、バランスの取れた考え方ではありません。
こうした正しい理解の無い、理解しようとしない人たちには、
正しい理解をして欲しいと願っています。
(2009年10月作成)