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◎条文のタイトル

 条文にはタイトルが付いていますが、
このタイトルは便宜的なものであり、条文の一部ではありません。
 このタイトルに頼ると、変なことになる、という一例をご紹介します。

 特許法29条には、『特許要件』とタイトルが付いていますが、

   これを備えていると特許になる

という内容が書かれているのではなく、

   このような発明を特許請求の範囲に書いても特許しません

という内容となっています。

 したがって、 適用条文=29条2項 とされた拒絶理由通知は、

  本件特許出願は29条2項に抵触する、と審査官が判断した

と表現では正確ではない、ということになります。
「抵触する」のではなく、29条2項の条文の通り、なのです。

 29条のタイトルをもう少し正確に表現しようとすると

    非特許要件・その1

とでもなりそうですが、それにも無理があるのでしょう。

 要するに、条文のタイトルに関しては、

   名が体をあらわしているとは限らない

ということです。

(2009年6月 作成)