自分一人ができないのでは、という劣等感に端を発する孤独感は、
一人前になれば克服できるものだろう。
その劣等感を感じていた頃に、漠然と感じていたような気がする。
一人前になったという自信は持てなくても、あのころよりは成長した、
と思える今、劣等感を感じる時間は少なくなったような気がする。
だがそれは、劣等感が小さくなったということではなく、
劣等感に浸る時間さえなくなっているだけであろう。
時間に余裕がないと、劣等感よりも孤独感の方が大きく襲いかかってくる。
紛らわすことが困難な孤独感。未だに持てあましてしまう孤独感・・・
『人間は慣れる動物である』というのは、ドストエフスキーの言葉だっただろうか。
持てあましてしまう孤独感にも、
少しは慣れてきたのだ、と思いこむことで、紛らわそうとしている自分がいる。