◎同窓会の往復葉書

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◎同窓会の往復葉書

智司が帰宅すると、ダイニングテーブルに
「高校卒業18周年記念・同窓会のご案内」
という往復葉書を見つけた。

「18周年」という数字に注意を引かれた。
「××周年」というと、通常は切りのよい数字が選ばれるのが普通だ。


なぜ「18」が記念なのか?
智司は、自分の高校時代に思いを巡らせた。


自分たちの学年が「18」に縁があったのだろうか?
何かの約束でもしたのだろうか?

幹事は誰だろう?


細かい字がたくさん書かれた葉書の下隅から、目で追った。
鈴本大紀? ああ、新聞部だったあいつか・・・

高校時代の鈴本という男に対して、目立った印象を智司は持っていなかった。
新聞部のくせにマラソンが速かった、というのが最初に思い出されたことだった。


しかし、「18」という数字と彼との因縁は見いだせない。
18歳で卒業して、ちょうど倍になった、ということでは「記念」なのかもしれないが。


名物先生の誰かが引退?


陸上部かサッカー部のどこかがインターハイに行った?
故郷を離れて生活し、両親も転居してしまった自分には、地元の情報がない。


「18」に「周年」と付けたことで興味を持ったやつだけ集めようという魂胆か?
想像をかき立てられただけで、高校時代を思い出し、ちょっとほろ苦い思いをさせてもらった。


ん、あいつに電話でもしてみるか、いや、もう11時か。やめておこう。
メールにしよう・・・


高校時代からつき合いの途切れていない杉山の顔が浮かんだ。
あいつなら顔が広いし、鈴本とのパイプもあるはず・・・


錆び始めたネットワークの配線に注がれる一滴の油。
もしかしたら、そんな効果を、鈴本は狙っているのかもしれない。
そう思わせてくれただけでも感謝したいものだ。 


ところで俺は、同窓会に行きたいのか、行きたくないのか・・・

以上

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