◎知財部物語(4)

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◎知財部物語(4)

【外圧】

営業部長の梅川から、深沢に電話が入った。


「X社が、次の企画として練っているという販促策なんだが、
先日、小耳に挟んだ我が社の企画と似ていないかな?」


「梅川さん、それが本当ならかなり似ていますよ。
すぐに打てる手を考えて折り返します。」


深沢は、電話を置くと直ぐに浜田に声を掛けた。


「浜田ぁ、吉井女史のアイディアに似たヤツがX社から出る可能性があるぞ、何とかしろや。」


浜田は、待ってましたとばかりに、引き出しの一番上から、
同期の秋本に描いて貰ったポンチ絵を深沢の所に持って行った。


「このようにマーケティングデータ収集システムというか収集装置とすれば、
出願レベルになります。先行特許も調べてみましたが、
2,3似ているかな、というものがあるだけで、ズバリはありませんでした。」

「おまえにしちゃ、素早くて的確だなあ。何か私情が絡んでないか?」


深沢がからかうと、浜田はムキになって応えた。

「吉井さんという『お客様』に喜んで貰おうとしただけです!」


深沢は、このバカ正直な浜田が突如成長したことをほほえましく思った。

「商品設計の予算で出して貰えるように、丁寧に交渉しに行けよ。
それから、X社の情報が入ってきたことを、届出書に加えておけよ。
それを入れれば、直ぐ通せるからな。」


「営業部隊のスケジュールをお聞きして、PRの前に出願を完了できるように逆算します。」


「キャンペーンのネーミングやら、キャッチフレーズの商標調査もやっておけよ。」


「特許のことばかり考えていました。すぐにやります。」


「そうだな。あっそれから、広報室に連絡を入れておけ。
営業さんたちが既にやっているかもしれないけど。」


「具体的には、何をすればいいんですか?」


「プレス発表なのか、ホームページの更新なのかは分からんが、
プレスを意識しておくといいんだ。お盆の前なんかに投げ込みをしておくと、載りやすいんだ。」


「『投げ込み』って何ですか?」


「記者に取材してもらうんじゃなくて、
広報室が新商品紹介などの記事を書いて新聞社に投稿しておくんだ。
経済新聞や産業新聞は取材記事が無くて紙面が空いちゃうと、
投げ込み記事でも掲載されやすい。 
投げ込み前に『特許申請中』って言葉が入っているか記事をチェックしろよ。」

・・・続く

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