のどが渇いた。不快なのどの渇きだ。
それにしてもバカげたカラオケ大会だった。
会社で気を使っているというのに、あんな場でまでサービス精神を強要されるなんて。
明日は、8:00からの会議だ。
こんなに消耗してしまったのに、今日はまだ火曜日だぞ。
あれだけ呑んでしまったから、明日の朝では抜けていないだろうなあ。
金曜日なら満員であろう終電車だか、今夜はそれほどの混雑ではない。
そのことがいっそうむなしさとやり場のない怒りをあおる。
吊革の遠くに滲むマンションの灯りが、ときどき開けるうつろな眼に、
弱い弱い刺激を与えては、後ろに飛んでいった。